梅雨は嫌いだ。以上

…とまあこれがオレの今までの考えだったわけだが

だってそうだろ? じめじめするわどこかに遊びに行くにしても濡れるし、
なんとなく気持ちも降下気味って感じがして嫌だったんだ

そう、アイツに会うまでは

 

 

 

「ふぅ、雨の日ぐらいは待たせるなよな…」

少し顔を上げ、未だに振りつづける雨と空を見る

朝何気に耳に入った予報によればそのうち雷雨になるかもとか言ってたな

とある店の軒下にいるものの、足元は濡れそうなので傘をさしたままだ

背中には喫茶店の明かりが光る

待ち合わせは中なのだが、一人で待つ喫茶店は非常に悲しいものだ

「もう…一時間も過ぎてるじゃないか」

オレは店の中の時計を見てため息をつく

そのとき首筋に水滴が落ちたようで冷たさが体を振るわせる

「うっ、って。やっと来たか」

オレより低い位置にある傘のせいで首に雨が落ちたのだろう

オレは振り向いてその傘の持ち主、オレの彼女を見る

「遅刻しておいて笑顔か、澪?」

「…(コクッ)」

そのとおりとばかりに大きく頷くのは
オレの彼女、上月澪。まあ見た目小学生だがそれを言うと怒る、それはもうぷんぷんに、
ってこんなこというようじゃオレも惚気てるってことか

「まあいいや、入ろうぜ?」

言って喫茶店に足を踏み入れる

ああ、クーラー(ドライもかかってるのか?)の効いた店内はスカッとした

 

遅刻した理由なんかを聞きながら(しっかりと防水加工した奴を買ってやった)
満面の笑顔でパフェをつっつく澪を見る

「しっかし、それだけでずいぶん幸せそうだな?」

「?」

きょとんとした澪がオレへと視線を移し、こちらの視線が
パフェと澪にあるのを見てやっぱり微笑む

どうやらおいしいから、と言いたいらしい

オレも少しぬるくなったコーヒーを一気に飲み干す

食べ終わるのを確認して立ち上がる

「さ、出ようぜ」

雨はまだ降っていた…

 

「…今日は家に来るんだろ、澪」

「…(コク)」

当然ながら恋人なわけだから…な、その…

気恥ずかしさにか、うつむく澪と
そんな澪を見続けれるほど慣れていないオレと、静かな岐路だった

後100mほどで着くだろうという時、事件は起きる

正面からやってきたトラックはお約束どおりにオレと澪をびしょぬれにしてくれやがったのである

「はぁ…着替えもしないといけないな」

「(うんうんっ)」

透けてきた服に腕を絡めるようにして真っ赤になる澪が印象的だった

 

「悪いな、由紀子さんのを使う考えもあったんだが…サイズがな」

『大丈夫なの』

頭にタオルを乗せたまま、澪がそんな返事を見せてくれた

「そうか、まあ寒かったら他にも渡すから」

「(フルフル)」

澪は首を振ると下着の上にYシャツ一枚、後はソックスというなんというか
恥ずかしさ全開の格好で今でTVを見ていた

「なんか面白いのやってるか?」

聞くと、どうやら毎週見ているらしいアニメがやっていた

変身して大人になる魔女ッ子物だった。うーん、やっぱり体を気にしてるんだろうか?

オレは別に…むしろ澪ぐらいのほうが…などとは口に出さずにオレも隣でTVを見る

 

そうこうするうちに晩飯の時間になり、練習を始めたという澪の手料理を頂きつつ、
暗いままなので自分じゃそう感じないが夜になっていく

「…」

「…」

無言だ

こう言ってはなんだが澪以外だったらもう少し会話があっただろう

澪と会話をするには書くというワンテンポをはさむために
どうしても動くことがなかなか難しい雰囲気の中では二人とも無言になる

そんな雰囲気を砕いたのは天気だった

薄暗かった部屋に突如光が満ちる

「っ!!(ビクビクッ)」

ひしっと怯えて抱きついてくる澪

「おっと…でかいな」

その後にやってくる爆音に近い雷の音とびりびりと震える窓

「布団でも入ってようぜ」

オレはそう言って澪ごと布団に包まる

密着した肌、伝わる動悸がオレの感情も高めていく

(ちょっとぐらいならいいよな、恋人なんだし)

などと思いながら澪のあまりふくよかとはいえない胸元に手を伸ばす

ふにふに

「!?!?!?」

澪が突然の刺激に驚いて布団から半身抜け出す

オレがそんな様子にニヤリとするとおどおどとした様子で戻ってこない

さてどうするかと思ったとき、再び雷がその光を部屋に招いた

「〜〜〜!!!」

澪は最初と同じように抱きつくようにして布団にもぐりこんできた

「ふ…」

「…(ビクッ)」

戻ってきた澪を抱きかかえるようにして再び体に触れる

ふにふに

「(おどおど)」

ふにふにふに

「(ごそごそ)…(ビクッ)」

逃げようとするたびに雷が光り、澪が体をすくませる

オレはそんな反応を楽しみながら澪の体温が上がっていくのを感じる

何度目かの衝撃だろうか、
窓をびりびりとそれが揺らしたとき、澪がきつくオレに抱きついてくる

「んっ…」

そのままオレは澪の成すがままに口づけをする

目を閉じたままの小鳥のようなついばみ

それでいて何かを伝えようとするキス

口を離すとすでに澪の頬は上気し、
Yシャツは汗で薄っすらと透けていた

「…いいか?」

「…っ…(コク)」

ぷちぷちとボタンを外し、仰向けになった澪の体を見る

電気もつけず、薄暗い闇の中でも
その体は白く浮き出ているようだった

オレは無言でその胸元に手を伸ばし、優しく包むようにして触れていく

「っ…っっ」

そのたびにぴくぴくと体が揺れ、細かい息が澪の口から漏れる

閉じたくても見ていたい、そんな感情からか半開きの目がオレの欲情をかきたてる

未成熟な少女が迫る快感に支配されていく様子が俺を満たしていく

おなかを撫で、そっと左手が足の付け根へと向かう

「っ!…っ」

一瞬抵抗するように足を動かすが、思い直した様子で
足の力をおずおずと澪は抜いていく

オレはその様子に満足しながらそっと下着の上から未だになだらかなままのそこをなで上げる

「〜〜〜〜っ」

弓なりに体をそらした澪が瞬間、脱力する

まだこういった行為のそのものに緊張しているのか、反応が面白い

「っ…っ…っっ」

抱きしめるように背中へと手を廻す澪を右手で抱えながら
左手はゆっくりと澪の大事な部分を上下にこすっていく

じわじわと感じる湿り気にオレは少し指を動かして上から指を入れていく

こわばった体がすぐさまブルブルと震えだす

時折声とも息とも判別のつかない甘い吐息を漏らしながら澪が変わっていく

普段の未成熟な少女から快感をしった一人の人間へと

「脱がすぞ?」

腕の中で頷いた澪に軽くキスをして俺は体を離し体をちぢ込ませる澪の足から下着を脱がした

「濡れてる」

「〜〜〜っ!(じたばた)」

「わかったから暴れるなって」

ムードも何も無いような気もしたがそこはそれ、オレだしな

これで澪はソックス以外何も身につけない姿でオレのベッドに横たわっている

よく見えないはずだが澪のソコはひくひくと息づいている気がした

抵抗する澪の足を押さえつけ、そっと顔を沈める

「っ! っ!!(フルフル)」

いやいやと顔を振る澪の様子にオレの胸の中でゆっくりとスイッチが入っていく

顔を上げると澪の細い腰を抱え、その頭を優しく撫でる

それだけで澪は静かに微笑み、一つ頷いた

水音

あらわすならそれ以外に表記の使用が無い音を立ててオレと澪が一つになっていく

全部は入りきらない、澪の体がまだ少女であることをこんなところで感じる

それでも少しでも深く繋がろうとオレは澪の中を進んでいく

痛みにか、歓喜にか判別のつかない涙を浮かべる澪にキスをしながら互いに高まりあっていく

もう時折鳴る雷に怯えることも無かった

澪の顔が赤く、快楽に染まっていき、
オレを、オレだけを感じるパートナーがそこにいた

シーツが乱れるのも構わずにオレと澪は行為を続ける

まるで離れることを恐れるように…

 

限界は唐突に訪れた

今日一番の爆音にさすがに澪も驚き、
びくっとしまった澪の中にオレは抵抗できずに欲望を吐き出す

どくどくと最初は勢いよく、徐々に収まりながらそれは止まらないかのように続いた

抱き合ったままでオレはベッドに転がり、片手で澪のソコをティッシュでふき取る

ぴくぴくと澪がそのたびに震えるがなんとなくそれが嬉しかった

 

いつしか雨の音は小さくなり、オレと澪はなんとなく空を窓から寝ながら見上げていた

 

雨の音が引き、静けさの中に息遣いだけが響く

虫も、鳥も鳴かない。そして差し込む月明かり

「…(ぴくっ)」

その灯りにほえーと見上げる澪の体が
窓からの光に照らされる

なだらかな体、オレしか味を知らない場所

小さな体で、オレの全てを受け入れようとする澪

くいっと手が引っ張られ、振り向くと澪は微笑む

オレの身勝手な妄想か、その顔は一緒にいることそのものが幸せだとか言いそうだった

そんな澪が自分の体が月明かりにさらされていることに
やっと気がついたのか、真っ赤になって布団を引き寄せようとした

…ダメだ。可愛すぎる

ガシッ

「っ!? (フルフル)」

オレが布団を抑え、隠せないようにすると
もじもじと足をすり合わせながらオレを潤んだ瞳で見つめた

「澪、そんな顔をされるほうが我慢できない…」

あ…と吐息とも息ともつかない音を立てて澪がオレの行為を受け入れた

すでに1度目の行為の後だからか、再び澪をオレは求める。
すんなりとオレのモノは澪の中へと水音を立ててその証を刻んでいく

「っっ!! 〜〜〜〜っ」

何度繰り返しても飽きない体、飽きようが無い体

小さくて、白くて、そしてやわらかくオレを受け入れていく

むしろ受け入れるようにしているのか

はっはっっと子犬のように息をあらげる澪の口が半開きになる

そんな顔に手をあてながら軽く撫でるとゆっくりと微笑み、
またその顔が快楽から来る感情に支配されていく

「澪…澪っ」

たまらない、その顔、その仕草

外見らしかぬ変わり様はオレをどんどん深みにはめていく

離さない、離れられない

永遠からすらも帰還する絆がここにある

 

月が雲に隠れても二人の感情は止まらない

無垢な瞳がオレだけを写し、オレだけに伝えるように潤む

そしてぱくぱくと開く口がこう紡ぐ

『こ・う・へ・い』と

それを合図にこちらも敏感になっていたオレは
さしたる時間を置かずに二度目の高みを迎え、
今度は互いにふき取る余力も無く抱き合ったまま夜を過ごしていく

 

 

 

結局くしゃみをして起きた俺が双方の体をふき取ったわけだが、
すやすやと無防備に寝る澪の笑顔で全部チャラでいいかな、などと思った日だった

 

そして、オレは梅雨が好きになった

大切な人と思い出ができた季節だから…

 

 

終わり

 


あとがき

思い立ったら止まらない

それがSS作家の妄想です(何

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