カノン大戦α

〜戦場を駆ける奇跡〜




第8話

〜戦場の再会〜

 

「まさか、往人さんっ!?」

『その声…祐一か!?』

間違い無い、昔俺のうちにしばらく居候した往人さんだ

人形を手を使わずに動かすことができて中学だった俺も毎日
その理由を探ろうと躍起になってたっけ…

『往人、お前の知り合いか?』

もう片方のパイロットが往人さんに聞く

『ああ、昔世話になったんだ』

『とりあえず戻ろうぜ? 話ならその後ゆっくりすれば良いだろ?』

『そうだな…。祐一、また後で』

往人さんはそう言うとアーガマへと戻っていった

「私達も戻りますか…」

「ああ…」

キャニーの言葉に頷き機体をグレイファントムに向ける

 

「向こうと会議だって?」

ゼロから降りた俺を待っていたのは
アーガマ部隊との会議を行うという知らせだった

「はい、一応艦長の私、部隊長の祐一さんの二人には来て欲しいとのことです」

「え〜っ! 二人だけなの?」

美汐の言葉を聞いて真琴がわめく

「あんまり大勢で行っても役に立たないよ? ここは祐一達に任せよう?」

名雪が静かに真琴をなだめる

「わかったわよ〜…。祐一っ、お土産お願いねっ!」

「あるかっ!!」

俺は真琴の頭をどつく

「あぅー…」

「おまえら楽しそうだな…」

マサキのあきれた声が響く

「そうだ、俺達が行っている間、守備を任せても良いか?」

「へっ? まあ直るまではここにいるんだし別に良いが…」

「んじゃよろしく頼む」

俺はそう言って美汐と共にアーガマへと向かう

 

 

「よっ、あんたらが代表か?」

相手からの要望でゼロを持ってきてくれとのことだったので
狭いが美汐を一緒に乗せ、ドダイに乗りアーガマの格納庫に
向かった俺たちを待っていたのは先ほど助けてくれた青年だった

「さっきは助かったよ」

俺は彼に握手を求める

「困ってる人を助けるのはヒーローの基本だろ?
ピンチのときに駆け付ける、くーっ、燃えるぜっ!」

一人で勝手に盛り上がる

「はっ、すまねえ。つい熱くなっちまった。そうだ、
俺の名前はリュウセイ、リュウセイ=ダテだ。
好きなように呼んでくれ」

きら〜んっ!

「じゃあ『ダテ』、よしっ! 改めて『ダテ』、さっきはありがとう」

無意味な笑みを浮かべてしかも
変なイントネーションで呼びながら俺…

「いや…それはやめてくれ…リュウセイでいい…」

いやそうな顔をするリュウセイ(もちろん上の発言は冗談だ)

ふっ、勝った

勝ってどうするという突っ込みがどこからか
きたような気がするが無視する

「相沢さん、そんなことしている場合ですか?」

冷静な美汐の突っ込みが入る

「はっ! いけねえ、教官にどやされるっ!
ミーティングルームはこっちだ」

あせるリュウセイの後について歩く

 

 

〜グレイファントムサイド〜

「栞ちゃん、どうしたの?」

満足したのかトリップから帰ってきた名雪が
格納庫でメカニック達と頭を抱えている栞に聞く

「あっ、名雪さん…。ちょっと困ったことがありまして」

栞はそう言ってサイバスターを見上げる

「サイバスターがどうかしたの?」

「いえ、ほとんどは直って戦えることは戦えるんですけど」

「サイ・フラッシュが使えないんだ」

サイバスターのコックピットからマサキが降りてきた

「サイ・フラッシュ?」

名雪が?といった顔になる

「プラーナ、人間のもつエネルギーを利用して魔装機は
動いてるんだが、それを増幅、開放して敵味方を判断する
マップ兵器として使う。これがサイ・フラッシュなんだ」

「それに必要な装置が壊れてるんだにゃ〜」

「こればっかりわね〜」

シロとクロがマサキの肩から言う

「じゃあ我慢するしかないんだ?」

目はシロとクロに向けながら名雪が言う

「そうだな…まっ、なんとかなるだろ」

マサキは明るくそう言った

「う〜、我慢できないっ! ねこさ〜んっ!!」

「うぉっ!?」

「逃げるにゃ〜」

「待ってよ〜」

飛びつく名雪、驚くマサキ、
逃げるシロ達

かくしてグレイファントムをフィールドとした
壮大な鬼ごっこが始まった

「勘弁してにゃ〜っ!」

「助けて〜っ!」

「ねこ〜、ねこ〜」

騒ぎに気がついた舞によって
名雪が気を失うのは十分後だった…

 

〜アーガマサイド〜

 

 

 

「リュウセイ=ダテ、入ります」

連れられて入ったところには一般人でもよく知っている人物がいた

「ご苦労、さあ席についてくれ」

落ちついた声に答えて席に座る

俺の正面には有名なブライト艦長がいた

「君達のことは岡長官から連絡を受けている。
一般人ながら軍人顔負けの素晴らしい活躍をしているようだね?」

「いえ、ただ必死なだけですよ」

俺はテレながら答える。
なにしろあの一年戦争の英雄なのだ

俺も一ファンである

「必死になって守れるものがあるというのはいいことだ」

ブライトさんは優しい笑みを浮かべてこちらを見た

「艦長、本題に入ろう」

金髪にサングラスの男性がさきを促す

「そうだなクワトロ大尉。相沢少尉、君達はどこまで知っている?」

ブライトさんの顔が艦長としてのそれになる

「どこまで、はわかりかねますが。知っていることなどを報告します」

俺と美汐は戦いのはじめから前回の戦いまでを説明した

 

 

「そうか、君達もエアロゲイターに遭遇したのか…」

「エアロゲイターってあのメギロードとか言う
偵察機みたいな連中のことですか?」

俺の言葉に相手は真剣な顔になる

「その名前はどこで知った?」

力ずくの戦いを挑んでおきながらこの場にいる
イングラムに少し緊張しながらも

「家のメンバーが残骸を調査した結果ですよ。
データがあるんでお渡しします」

美汐のほうを向くと既にディスクを取り出していた

「まっ、名前以外はわかりませんでしたけどね」

「そうか、報告によれば君達はジャブローに向かうそうだな?」

「はい、ティターンズの動きが気になるという
岡長官の頼みですが、なにか不都合でも?」

俺は以外に思い聞く

「そういう訳ではないよ。本部であるジャブローに向かうのだ。
もし万が一があった場合、敵はかなり多いはずだ、心配でね」

「ありがとうございます」

俺は初対面の俺達をきちんと心配してくれるのが嬉しかった

「艦長、よろしいか?」

イングラムが話をさえぎる

「さて祐一といったな、君はあのゼロをなぜ動かせたか知っているのか?」

俺は秋子さんのことは隠しておこうと思った。
なぜかはわからないが…

「多少は、念動力とかいう能力を持ったものでなくてはならないとか…」

「そのとおりだ。アレは本来はこのリュウセイか往人が
テストを行う予定だったものなのだ」

その言葉に二人を見る

「ゼロに積んであるシステム、それはT-LINKシステムというものだ」

「T-LINKシステム?」

俺はキャニーも知らなかったことを聞いて驚いた

「そう、搭乗者の念動力を引き出し、機体の制御を行うシステムらしいぜ」

「だから念動力をもつ者しか動かせないんだ」

リュウセイと往人さんが言う

「つまり祐一、君にはその素質があるということだ。
最低でもそこは自覚しておいてもらいたい」

イングラムはそこで言葉を区切り、

「あの機体には通常武装しかついていないはずだな?
ゼロ用の装備が届いている。今は改装作業中のはずだ」

「時間はかかるんですか?」

俺が聞くと

「物が物なだけに複雑でね。しばらくかかる」

「しばらくはこちらでくつろいでもらいたい」

イングラムの言葉を艦長が繋いだ

 

 

 

「もう2年ですか…」

アーガマの談話室に俺と美汐、
リュウセイと往人さんの四人で来ていた

「そうだな、あの時は助かった」

「いいですよ、楽しかったし」

そこで美汐が俺の袖を持ち

「相沢さん、聞いても良いですか?」

「ああ、2年ほど前に俺んちの前に往人さんが行き倒れてたんだ」

俺はあの頃を思い出しながらつぶやく

「学校へ行く途中でな、ごみだと思って母親に『生ごみが捨ててあるよ〜』と
言おうとした所で『水くれ…』って聞こえたから慌てて介抱したんだ」

「ごみ? 危なかったのか…」

往人さんは冷や汗をかく

「で、次の日に人形劇を見せてもらってな。すごかった
違和感なく動く人形だったんだ。手も使わずに…」

「手を使わずにですか?」

「ああ、あの頃はどう考えてもわからなかったんだが
今ならわかるな。念動力を使っていたんだよ、きっと…」

「まあともかく、結局一ヶ月ほどでまた旅に出ていったものだから
それっきり会っていないって訳だ。これでいいか?」

美汐は微笑みながら

「はい、相沢さんが昔から変なところがあるってわかりました」

「ぐはっ!」

俺は静かに沈む

「それって俺にもできるのか?」

リュウセイが往人さんに聞く

「どうだろうな…やってみるか?」

そう言って懐から古ぼけた人形を出す

「あっ、まだそれを使ってるんですね」

俺は前にもみた人形を見る

「形見だからな…」

往人さんは苦笑してリュウセイのほうにそれを向ける

「やってみろよ」

「ああ、ってどうするんだ?? 念じるのか?」

「多分、俺はそうしてるぞ」

頷き、しばらくうねるがぴくりとも動かない

 

 

しばらく後…

「だーっ、疲れた…、無理みたいだ」

リュウセイはギブアップした

「う〜ん、個人差があるんですかね?」

「だろうな」

俺の言葉に往人さんは答える

「お前はどうだ?」

「やってみます」

俺は静かに集中し、念を込める

するとなにかが頭に浮かんできた

 

 

(これはなんでも三つの願いをかなえる天使の人形だ…)

(ただし、俺にできることだぞ…)

 

あゆ??

あゆとの思い出か…

そうだ、あの人形にもあの時渡す前に…

 

その瞬間俺の意識は現実に向かっていた

「おおっ、モンキーダンスを踊ってるぜっ!?」

リュウセイが人形を見て叫ぶ

「形だけでも教えたんだよな、確か…」

せがまれてやり方だけ教えたことを思い出す往人さん

「凄い、面白いですよ。相沢さん…」

美汐は驚きの表情で見つめる

「ふぅ…」

疲れた俺は力を抜く

人形の動きも止まる

「よくやったぞ、わが弟子よっ!」

往人さんが両手を広げる

「やりましたっ! ししょ〜っ!!」

俺は泣きまねをしながら胸に飛び込む

背景に夕焼けでもあれば完璧だ

「なにやってるんですか?」

美汐のジト目の突っ込みに二人は離れる

「いい合棒だな?」

「ええ、そう言えば往人さんのほうはどこへ行ったんですか?」

俺は滞在中に聞いた往人さんの大切な人たちのことを聞いた

「あいつらは今南アタリア島にいるよ」

南アタリア島?

「例の巨大戦艦が落ちた島らしい」

リュウセイの言葉が続く

「俺達はそちらに向かうんだ」

俺はその言葉に頷く

「おっ? …改装が終わったらしいぜ」

リュウセイの言葉に俺達は格納庫へ行く

 

 

 

 

「チャクラム・ソード?」

俺はコックピットの中でキャニーに聞き返す

「はい、有線を通して祐一さんの念動力で操作、
必要に応じてブレード発生装置にもなる円形ビーム発生装置
が追加されたそうです。また有線の切断に注意が必要だそうです」

キャニーは無意味にマニュアルのホログラフを出して言う

「へえ、遠近どっちでも使えるんだ?」

「そうみたいですね」

美汐が後ろから言う

挨拶を終え、二人はグレイファントムへと戻るところだった

 

〜しばらく前〜

「大丈夫だとは思うが気をつけてな」

「往人さんも」

二人は握手を交わす

「祐一君、活躍を期待しているよ」

「はい、努力します」

ブライトさんが差し出す手を取る

「では失礼します」

俺は美汐を連れてゼロに乗り込む

ドダイに固定し発進する

 

 

「新たな鈴が一つ…」

イングラムのつぶやきを耳にするものはいなかった

 

 

〜祐一サイド〜

 

「ただいま〜」

「お帰りっ、祐一君っ」

コックピットから降りた俺にあゆが近づいてきた

「他のみんなは?」

「う〜ん、それぞれいろいろやってるみたいだよ?」

「そっか、ありがとうな」

俺はあゆの頭をなでる

「うぐぅ、くすぐったいよ」

あゆはほほを染めてうつむく

「二人はどうする? 飯でも食うか?」

「そうですね」

「うんっ!」

「たい焼きはなかったぞ」

笑顔のあゆに俺は突っ込む

「うぐぅ、そうなの?」

あゆの言葉に美汐が吹き出し、俺もつられてしまった

「わらわないでよ〜」

グレイファントムを暖かな雰囲気が包む

 

 

困難へと続く運命の中で

 

 

続く

次回予告

ジャブローについた祐一達、高官達は祐一達をばかにし、
郊外へと追い出す。秋子さんに連絡をとろうとした祐一達が
夕日の中に見たものは炎で血の様に赤く染まるジャブロー本部だった

祐一たちは生き残れるのか? 本部を襲ったのはティターンズなのか?

 

「間に合ったかっ!」

ピンチの祐一達のところへ駆け付ける人物とは?

次回

夕焼けの死闘

 


あとがき

ユウ「う〜ん、最近短いな〜」

栞「そうですね〜」

ユウ「寒いから長くは座っていられないんだよ」

栞「私は平気ですよ?」

ユウ「むう、凄いな…」

栞「嬉しいような嬉しくないような…」

ユウ「うしっ、次回の話に行こう」

栞「次はオリジナルですか?」

ユウ「今まではゲームを参考に舞台だけ変えて
   やっていたのがほとんどだからな」

栞「私達を助けてくれるのって誰ですか?」

ユウ「秘密、まあ声優さんに負けない活躍を、だな」

栞「もう半分ばらしてますね」

ユウ「まあね、じゃ次回に会いましょう」

二人『でわでわ〜♪』