カノン大戦α

〜戦場を駆ける奇跡〜




ジャブローを脱出後、北米に入ったグレイファントムは岡長官と連絡をとった

『私がジャブローへ行くように指示した結果として
ずいぶん苦労をかけてしまったようだね…』

「いえ、私達は自分で決めて行動したんですから
気にしないでください」

美汐が長官に答える

『そうか…ありがとう。そうだ、連絡事項がある。
君達とアーガマ部隊の2部隊を
正式に極東支部の所属とすることが出来た』

「それはつまり私達が正式に軍へ入ったということですね?」

香里が長官に聞く。今までは現地徴用の臨時部隊扱いだったらしい。

そんな部隊に母艦を回せるのは凄いよな…秋子さんかな、やっぱり…

俺は一人でつぶやく

『表向きはそうだ。実際は君達が自由に動きやすくなるためのものと考えて欲しい』

「よくわかんないですけど、軍として堂々としていられるってことですか?」

北川がとぼけたように言う

『軍曹の思っているとおりで構わんよ。補給や整備の面で
今までよりは困ることがなくなるだろう』

「長官、よろしいですか?」

格納庫から来ていた栞が手を上げる

『なにかね?』

「いえ、さっそく補給の件で問題が…修理、エネルギー補給用の物資が
少なくなっています。どうにか補充しないといけません」

栞の言葉に長官は少し考え

『ふむ、ちょうどいい。君達はアムロ=レイを知っているかね?』

「もちろんっ! 七年前の英雄ですよね。でも今は
軍に軟禁状態だとか?」

ネットで流れていた噂を俺は話す
香里と美汐、そして北川が頷く

後ろでは予想通り『誰?』という顔をするあゆと真琴がいた
名雪は仮眠室で爆睡、舞は訓練、佐祐理さんはデータ解析で忙しそうだ

『そうだ、そのアムロ=レイが連絡をとってきてくれたのだ。
彼は現在北米シャイアン基地からミデアにMSと物資を積んで
合流する意思があるというのだが、戦力が乏しいために
北米を脱出するのが難しいそうだ。そこで君達に彼を迎えに行って欲しい』

「行きますっ!!」

俺は興奮して叫んでいた。
あの英雄に会えるのだ

『そうか、彼には連絡をしておこう。合流地点は
基地から東へ100Km近く行ったところにある湖だ。よろしく頼む』

長官は連絡を切った

「エンジン出力上昇、本艦はこれよりアムロ=レイとの
合流地点へ向かいます」

美汐の号令の元、あわただしくなる

「やったな相沢」

「ああ、お前も楽しみだろ?」

「もちろん」

二人で微笑み合った

 

グレイファントムは一路合流地点へと向かっていった

 

第十話

〜白い流星〜

 

数時間後、名雪達もブリッジに来ていた

「艦長、通信です」

「繋いでください」

美汐が香里に答える

雑音の後

『こちらはガンダムパイロット、アムロ=レイ、応答願いたい』

「了解。こちらは連邦軍極東支部所属グレイファントム艦長、天野美汐です。
合流地点まで後どのくらいですか?」

『そちらは視認できている。まもなく見えてくると思う』

「美汐っ!」

真琴の声に前を見る

湖のそばの森にあるミデアが映った

「速度減少、ホバリング状態を維持してください」

グレイファントムはミデアの真上に止まった

「じゃあ俺達は物資の運搬に出てくる」

「お願いします」

グレイファントムが降りられる広さが無い以上、MSによる直接運搬で
物資の搬入を行うことになっている

 

 

「あれがガンダム…ジオンから白い悪魔と恐れられ、
幾多のザクを撃破した連邦の奇跡…」

俺はミデアの格納庫から出てくる白い機体を見てつぶやく

「祐一、もう一体いるよ?」

名雪の言葉どおりもう一体ガンダムタイプの機体が出てきた
かなりの損傷を負っている様だ

俺達は地面に降り立ち、コックピットから出る

 

 

「岡長官から話は聞いているよ。アムロ=レイ、
階級は大尉だが普通に接してくれて構わない。よろしく頼む」

「こちらこそ」

俺は出された手を握る

ん? 今の感触は…

「君達もよろしく頼む」

アムロさんは名雪達にも一人一人握手する

「っ!? なに??」

「この感触は??」

突然真琴と栞が声をあげる

「宇宙…?」

「星の光?」

「共鳴…そうか彼女達は…」

アムロ大尉がつぶやく

「大尉?」

俺が尋ねると

「どうやら彼女達はNTの素質を持っているようだね」

「NT…たしかジオン・ズム・ダイクンの提唱した宇宙空間に適応した
相互に誤解無く理解し合える人類のことでしたよね?」

「ああ、だが軍はNTの持つ予知的な直感能力、
高い戦闘能力を恐れ、超能力者のように扱ったんだ」

俺にアムロさんが答える

「そしてNT能力を持つ物は互いにひかれ合い、共鳴することがあるんだ」

「真琴と栞ちゃんはアムロさんに共鳴を?」

名雪が不思議そうな顔をする二人を見ながら言う

「ああ、多分。かなりの資質を持っているようだよ?」

「大尉、話は作業の後にしたほうが良いのではないでしょうか?」

後ろで静かにしていた女性が話す

「そうだな。ああ、彼女はクリスチーナ・マッケンジー少尉。
一緒に基地を脱出してくれた人物だ」

「初めまして」

俺達も彼女に挨拶する

「あははーっ、それでは運びましょうか?」

佐祐理さんの言葉をきっかけにみんなで各自MSに乗りこむ

 

 

 

「これで終わりっと」

俺は最後のコンテナを置く

 

「これはPT? ヒュッケバインシリーズか」

アムロ大尉がゼロを見上げて言う

「知ってるんですか?」

ゼロから降りて俺は大尉に近づく

「有名だよ。これの一号機は事故で基地1つを丸ごと飲み込んで消滅したんだ」

げっ…そんなもんに乗ってたのか…

「ははっ、心配無いよ。長官からの話ではこれは核融合炉を
原動力にしている。つまりMSと同じなわけだ」

安心した…

「そうですよ。最悪搭乗者の意思で核爆発もフィールドで軽減できますし…」

ふわっといった感じでキャニーが出てくる

「アムロさん、紹介します。彼女はキャニー、ゼロのFCSをサポートしてくれています」

「ホログラフつき制御AIか…凄いな、ハロとは全然違うや」

大尉は声をあげて笑う

そのとき警報が響く

『シャイアン基地の方向からマラサイを三機確認しました。迎撃してください』

美汐の連絡が入る

「よっしゃっ! やってやるっ!」

勢い込んで出ようとした俺の肩を大尉が止める

「ここは俺が行こう。ゼロはまだ完全じゃ無いようだが?」

そのとおり、動けるものの装甲はかなりはがれたままだ
ガンダムと一緒に乗ったもう一機も出れる状態ではない

俺は頷いた

「俺は大丈夫だからな。一緒に行きます」

北川が名乗り出る

「ちぇっ、先にとられたか」

俺は悔しがった。アムロ大尉と一緒に戦いたかったからだ

「君達はもっと実戦の中での動きを学ぶ必要がある。
見てるだけでも参考にはなるだろう」

そしてガンダムはカタパルトに乗る

「アムロ、ガンダム出るっ!」

ビームライフルとシールドを構えた機体が加速され飛んでいく

「北川潤、弐式出るぞっ!」

続いて北川が出る

 

 

 

 

「これが白い流星…」

俺はモニターに映るガンダムの動きを見てそれだけしか言えなかった

相手の動きを読むかのような正確な一撃
それも融合炉を避けての攻撃である

すぐに一機が撃墜された

直撃による融合炉の蒸発を使うしか
爆発を押さえれなかった俺達とはレベルが違う

チューンされているとはいえ、既に旧式となっているはずの
RX−78−2ファーストガンダム、だが彼が乗った
それは最新MSの一機であるマラサイを赤子のようにあしらっていた

圧倒しているのは北川も同じなのだが、北川は機体の
性能によるところが大きかったのではないだろうか?
それは俺自身にも言えることだった

はたして同じ機体で戦って勝てるだろうか?

北川がもう一機を攻撃し、続いて飛び来る
ビームをアムロ大尉はすばやくメガ粒子の影響が無い
ほど完全に避けきり逆に撃ち抜く

まさにその動きは流星だった

その白い機体には傷1つ付いていない

どんな強者も補給がしっかりしていなければ戦いつづけることはできない

勝っても修理や補給の間があってはいつかそこを突かれるのだ

それはアムロ大尉でも同じだ。しかし、今はその死角も無い
俺達と共にいるのだから…

ふと見ればみなもその動きを見ていた

「うぐぅ、速い」

「凄いよね〜」

「これがNTの力…」

「……」

舞は真剣な目ですべてを学ぼうとモニターを見ていた

そして

最後の一機が撃破された

 

 

「やっぱり動いてないせいでカンが鈍ってるな」

コックピットから降りたアムロはそうつぶやいた

「あれでですか? 噂以上なんですね」

北川は感嘆の声を上げた

 

「お疲れさまです」

ブリッジに上がったアムロ大尉に美汐が声をかける

北川は栞に頼まれて弐式のメンテを手伝っている

「ありがとう。ところでこの艦はどこへ向かうんだ?」

「ヨーロッパです」

美汐は戦闘終了後のエゥーゴ代表、
ブレックス=フォーラからのやり取りを話した

 

 

「中央ヨーロッパですか?」

『そうだ、そこに新しいネオ・ジオンの部隊が降下したという
情報が入ったのだ。アーガマ部隊は南アタリア島に向かっている。
そのために君達に調査を依頼したい。場所は中央ヨーロッパ、ラゲーン地方だ』

突然繋がったエゥーゴからの連絡、中身は
今後の支援の約束と依頼だった

「了解しました。さっそく出発します」

『頼んだ。現地にある支援組織の基地の場所を転送する」

 

 

「そうか、ヨーロッパか…」

「はい、情報ではジオンでもティターンズでもない
未知の戦力によっていくつかの拠点が破壊されているそうです」

アムロのつぶやきに美汐は答える

「未知の戦力?」

俺は疑問を発する

「未知ってわけでもないですよ〜」

佐祐理さんの声が響く

「倉田先輩、どうしてです?」

「それはですね〜、ジャブローで増援で降下してきたMSと
今回送られてきたデータにあった機体とが一致してるからですよ〜?」

佐祐理さんは名雪に答える

「つまりティターズと繋がっている…」

俺の言葉に佐祐理さんは頷く

「うぐぅ、何でわかるの??」

あゆが涙目でつぶやく

はぁ…

「後で説明してやる」

俺はあゆの頭に手を置いて答える

ちなみに栞は修理に手一杯だ
話す機会が無いって悲しんでたな

後で寄っていこう

俺はあゆが顔を赤くしてうつむいたのにも
気がつかずにそう考えていた

 

 

グレイファントムは大西洋を抜け
ヨーロッパへと向っていた

 

 

 

続く

 

次回予告

ヨーロッパへとたどり着いた祐一達を待っていた衝撃とは?

目の前に広がる惨劇を前に祐一は叫ぶ

「これが…これが人間のすることかよっ!?」

祐一の叫びが戦場に木霊する

次回

〜冷たい世界〜

 


あとがき

ユウ「最初に、更新が遅れてすいません」

舞「…サボり?」

ユウ「ちっがーうっ! と思う…」

舞「でも2週間更新しなかった」

ユウ「うっ…忙しくて…」

舞「シスパニは更新してる」

ユウ「ぐはっ、するどい」

舞「バランスよく…約束」

ユウ「努力する」