途中たい焼き団編が入ったり(笑)
シスターパニック!?〜七人の妖精編〜
第十一話
〜思い出の積み重ね〜前編
「スーツを着る機会なんてしばらくないと思ってたんだが…」
鏡に映る自分の姿を確かめながら思わずつぶやく
「すいません。無理を言ってしまって…」
「あっ、良いですよ。かわいい妹達のためですし」
キッチンでの片づけを終えた秋子さんに答える
今日は佐祐理や舞、美汐、それに名雪の通う中学では保護者会が、
あゆたちの小学校では授業参観があるのだ。
今回は俺があゆたちの方に行く事になった
こういうときは大学というのは便利である
ノートは北川に頼んであるから安心だ
さて…
「早くしないと時間がなくなるぞ〜」
玄関から叫ぶ
ばたばたとかしましく全員が集まってくる
「中学にも授業参観があったならお兄様にきてもらったのに…残念です」
「…何気に遊びに来て貰えばいい」
「あっ、そうだね♪」
「だそうですよ? お兄さん」
…そう言われてもな…俺が行ったら怪しい人物として警察を呼ばれかねないぞ…
「まあ迎えに行くぐらいなら良いぞ。さあ早くしないと、っと…あゆ?」
「うぐぅ、こけた…顔からべちんっていくかと思ったよぉ…」
突然背中に突進してきたあゆがうめいた
どうやら急いでいて足を滑らせたようだ
「ねえお兄ちゃんっ!…今日はお願いがあるんだけど…」
「ん? 授業中に怒られても秋子さんに言うなって?」
「あぅーっ、違うわよっ! しっかり見ててねって言いたかったのに…」
すねる真琴
「だめですよ。お兄ちゃん」
「うっ、すまん…じゃあ行くか?」
栞の言葉にうめく
「あっ、もうすぐ8時ですっ! 急がなくっちゃっ」
栞の叫びに急いで玄関を出る
『いってきま〜すっっ!!』
玄関を出て八人で歩き出す
ここの中学と小学校は互いが近い場所にあるのだ
「しかっし、なんで朝から行かなくちゃいけないんだ?
授業はまだ始まらないだろう?」
歩きながらあゆたちに聞いてみる
秋子さんはまだ時間に余裕があるので洗濯をしてから行くそうだ
「うー…お兄ちゃんは私達の学校に行きたくないんですか?」
栞、どこで覚えてくるんだ?
栞からの伝達により、他の妹達もどうやったら俺が頼みを聞いてくれるか学んできているようだ
今も服のすそを持って上目使いというコンボを決めてきている
「そうじゃないが、授業が始まるまで何をしていようかと思ってな」
これは本音である。始まるまで校内やらをうろついていたら
まるで、じゃなくまるっきり怪しい人物だ…
想像してみてほしい。小学校の中をうろつく男…ぐはっ…自分で想像してもその危険さがわかってしまう…
「…あっ、今日日直だったんだっ! あぅーっ、このままじゃ間に合わないよぅ…ねえお兄ちゃん」
「ふっ、皆まで言うな…さあつかまれ…あゆと栞は抱えてくぞ」
真琴に背を向けてしゃがみこむ
『うんっ』
「さっさと行くぞっ」
真琴を背中に背負い、二人を抱えて走り出す
「あっ、お兄ちゃん右だよっ」
走る
「左です〜っ」
走る走る
「あぅっ、見えたっ」
走りに走った
「ふぅ…しばらくどこかで休憩してくる」
三人を降ろして一息つく
さすがに疲れた…
「うぐぅ、お姉ちゃん、大丈夫?」
「えぅ〜…ふらふらします…」
「あぅーっ、じゃあ急ぐから後でねっ」
ふらつく栞を支えながら歩くあゆ、急いで走り出す真琴の三人を眺めながら歩き出す
さて…どこかの木陰にでも行くか…
手ごろな木に背を預け、通る風を身に受ける
「気持ちいいな…」
自然に目を閉じてその感触を楽しむ…
『さあさあ今日の特売は新食感、カレーたい焼きのご紹介だっ!!』
日曜日の昼下がり、街の商店街に高らかな声が響く
『カレーとたい焼き〜?なんて思ってるそこのあなたっ! まずは一口っ!』
メガホンで声を出す男に進められて胡散臭そうな顔をしていた主婦が一口食べる
「あら…あんこの甘さがカレーのほんのりとした辛さで際立ってるわ」
一口含んだ後、目の色を変えて一匹食べきる主婦
『お気に入りましたらどうぞご購入をっ! 今なら五匹セットで400円だっ!!』
赤マジックで大きく書かれた値段に周囲から人が集まってくる
「カレーは人類の敵です」
「いや…今言うセリフか?」
近くのビルの屋上から双眼鏡で眺めながらつぶやく
「お兄様、今はそんなことを言っている場合ではないですよ」
「そうだな、よしっ! フェアリーシスターズ出撃準備だっ!!」
『了解っ』
正八角形の形に俺を含めて並ぶ
俺の正面は佐祐理だ
「では…『しすたーみゅーてーしょん、まじかるりこーる』、です♪」
なぜかひらがな、しかも妙に間延びしている…
ともあれ、佐祐理の周囲に虹色の空間が広がり、
佐祐理の着ている服が粒子へと変換されていく
胸元で何かを抱くかのように両腕を前にする
手の中で光が生まれ、佐祐理を包む
最初にリボンがピンク色に変わり、服装が次に変わっていく
肩、胸元、腰と次々とひらひらつきの服に変わっていった
足元は小さな羽根つきの靴だ
「恋も魔法も佐祐理にお任せっ! シスターピンク、完了です♪」
胸元の光が生み出したステッキを右手に持ち、
右手の人差し指はほっぺに、左手は腰に当てて言い切る佐祐理
正体は言うなよ…
「私の番…『あるときは小学生、またあるときは七姉妹の一人…
しかしてその実態は…シスターフラッシュっ!!』」
恥ずかしさに赤くなりながらも叫ぶ舞
それに答えるように舞の胸の少し上あたりからほんのりと蒼い光があふれてくる
その光に消し飛ばされるかのように舞の服が粒子に変わっていく
たんっと上空に体を浮かせ、空中で前転風に一回転する舞
その間に粒子は舞を包み、服を形作っていく
舞の服装は腰にはひらひらがあるものの、肩等にはついていなく、
歳の割に豊満な胸元を微妙に強調する格好だ
髪もストレートに伸ばしている
「兄様を想う一人の少女…キューティー、じゃなかった・・・シスターブルー完了……兄様、じっと見ない」
手に持ったステッキでぼすっとチョップをかましながら舞
痛いぞ…
「私の番ですね。『兄への想いを秘めし鍵よっ!
真の姿を我の前に示せ・・契約の元、美汐が命じる…封印解除っ!!』」
いつ契約したんだ?なんて疑問は置いておく
美汐があれ以来持ち歩いている鍵を中心に光が広がる
周囲を包み込んだ光が瞬時に黒く染まり、美汐のかまえたステッキに集まっていった
それは腕を伝わり、全身に行き渡る
黒ソックス、黒タイツに加え、スカートのひらひらも同じ色である
黒といっても安心できる感じだ…
「シスターブラック、完了です」
ステッキになった鍵をくるくる回転させて構える美汐
「あぅーっ、シスターオレンジ行くわよっ」
真琴は叫んで左の薬指にはめた指輪をかざす
指輪からあふれるらせん状の光は真琴を包み、
淡くオレンジ色がかったウェディングドレスへと変わっていく
ブーケは無い、けど美しいベールが真琴の頭を飾る
「いつもいつもたい焼きたい焼き…肉まんだっておいしいのに…
肉まんをなくしてたい焼きだけにしようなんて許さないっ!」
叫んでベールを上に投げ上げる
それにつられるようにドレスが舞い上がり、粒子に変わる
降り注ぐ粒子は動きやすそうな格好へと変わっていく
所々にドレスの面影を残し、最後に頭へと薄いベールが乗っかった
「シスターオレンジ、完了よっ」
ステッキを両手で持って言う真琴
「じゃあ私の番だね…種も仕掛けも無いことを許してね、お兄ちゃん♪ ワン・トゥ・スリー♪」
名雪がステッキを振り上げた途端、赤い光が名雪の足元から伸びる
名雪の服が一気に粒子に変わり、周囲に舞った後、
赤い靴にスカート、冬には寒そうな上半身と、リボンでポニーテールになった名雪が現れる
リボンは赤色だ
「敵さんを倒すついでにお兄ちゃんのハートももらっちゃおうかな♪ シスターレッド完了だよっ♪」
ポニーな名雪は意外と新鮮である
「次は私ですっ♪ 『エー エクス アルペ べー イート エム』♪」
確か物質変換だったか? 栞が叫ぶと一旦服がはじけ、栞の周囲を包み込む
「想いの強さは魔法の強さ。シスターホワイト完了です♪」
雪色の上下一体の服装だ。髪留めがアクセントのようである
変身前に投げ上げたストールを羽織りその場でくるりと回った栞が微笑む
「変身しても見た目のほうすら胸の大きさは変わらんか…」
「うーっ、そんなこと言うお兄ちゃん嫌いですっ」
「うぐぅっ、じゃあ最後はボクだねっ」
そう言ってあゆが胸元から取り出したのはペンサイズのたい焼きマークのついた棒だ
「うぐぅ・・『しすたーすたーぱわー…めいくあっぷ』だよっ!」
胸元で祈るようにした後、それを掲げる
淡い光が溢れ出し、あゆに降り注ぐ
服が成長するようにひらひらが生まれ、頭に白いリボンが乗っかる
そのリボンの大きさはかなりのものである
「お兄ちゃんにかわってお仕置きだよっ! シスターフェザー完了っ♪」
なんつうかこうぎゅっと抱きしめたくなる格好のあゆが現れた
とりあえずこれで変身完了か…
ああ、敵のそばで光ったり騒いだりして何で見つからないっ!
っていう突っ込みは…却下だ(一秒)
というか『今度の新作は装着者のイメージでさまざまに変化する服なんですよ♪』って…秋子さん謎すぎです…
「ふふふ…次は何を使おうか…」
「そこまでだっ!!」
「なにぃっ!?」
食べきった後、その場に倒れこんでいった主婦達を眺めていた男が振り仰ぐ
「たい焼きを変な味に変えちゃって…」
「人類の敵を混ぜ込み…」
「肉まんをこの世から排除しようなんて…」
「…今日は牛肉の特売日なのに…」
「このどたばたでネコさんが怪我しちゃってるよ…」
「話がごちゃ混ぜですね…ともかく」
「この街の平和は私達が守りますっ!!」
『フェアリーシスターズ参上っ!!』
「ちぃっ!」
男が手を顔に持っていくとマスクが取れ、中から別の顔が出てきた
「はぁっ!!」
男、いや怪人が叫ぶと空気が圧縮され刃となって七人を襲う
「させるかっ!!」
甲高い音
「来たか、祐一」
覆面をかぶった顔の目だけがこちらを見据える
「まあな…うぉぉぉぉっっ!!」
俺が叫ぶと背中から漆黒の何かが伸び出る
巨大な翼となったそれは全身を包み、それが広がった後には変身を終えた俺がいた
手にはステッキ状のサーベルがある
「あゆっ、みんなを頼むっ」
「うんっ、フェザーロードっ!!」
あゆの背中から無数の羽根が飛び出し、人々を持ち上げるようにしてその場から離れさす
「先手行きますっ! ミラージュステップっ!!」
足を上げずに栞が前に出るとその速度を上げる
「遅いっ!…なにぃっ!?」
怪人の繰り出した圧縮空気は栞の残像をなぎっただけだった
栞がストールを一回転させるたびに一人づつ栞が増えていく
原理としてはストールに自分の存在を一時的に記憶させ、時間差で具現化させているとかどうとか…
ともかく…
『こっちですよ。イャア シュウブ ニッグ ラトフっ!!』
全部が栞であり栞で無いということ
ユニゾンした叫びに伴って怪人の覆面が収縮する
「うぉぉぉっ!?」
たまらず覆面を取りにかかる怪人
「今っ! トラップマジックっ!!」
名雪の声の後、ぽんという擬音でも聞こえてきそうなタイミングで怪人の真上にタライが出現する
ごおんっという音とともに怪人の頭をタライが直撃した
「ぐはっ」
思わずひざをつく怪人
「樹々よ。戒めの鎖となりかの者を封じよっ!」
地面から生えてきたつるが怪人の両手足を固定する
「ちょっ、まったぁっ!!」
「…問答無用…」
「これが多数決、民主主義です」
「あぅーっ、そうなの?」
…絶対違う
「お姉ちゃん、チャンスだよっ」
「はいっ、シスターエナジー開放っ!!」
叫んだ佐祐理に全員から光が集まる
「しすたー・こけてぃっしゅ・・ぼんば〜っ!!」
いや、だからなんでひらがななんだ?
佐祐理のハートマークなステッキから飛び出たピンクの光は怪人を直撃する
まあ動けないのだから避けようが無いのだが…
あっさりと怪人は消滅する
あたりが静寂に包まれる
「真琴、頼む」
「うんっ、祝福されしベールよ、かの者らを癒したまえ…」
ふわっと真琴のベールが巨大化し、離れた場所にいる主婦達を包む
目覚めれば薬も抜け、記憶も無いだろう
「さっ、帰るぞ」
『は〜いっ』
買い物のために一旦帰ることにした
「っとと…危なかったな…」
木にもたれかかっていたが倒れこむところだった
時間は…ちょうど良いな
さあ、校舎に行こう
後編に続く
あとがき?
ユウ「つぁ…シスプリ以外書くのは久しぶりだな(汗)>2001・4・24現在」
秋子「サボってますね」
ユウ「うっ…言い返せないです…月姫やってシスプリやって…今はガンパレです…」
秋子「それにしても初の前後編ですか…」
ユウ「ええ、このままだと長くなってUPに時間がかかると思ったんで…」
秋子「次はいつです?」
ユウ「うっ…厳しいです(汗)久瀬編も書かなきゃ…(汗)」
秋子「死なないように。では」
二人『でわでわ〜っ♪』>久しぶり〜♪(爆)